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蛇使いな彼女BLOG

【第96回】お家で実験編 #2.~DO計を使った一次生産実験!②~

2024.01.05

漫画38

こんにちは皆さん、今日は一次生産量の計測後編です。張り切っていきましょう♪
実験方法は前回と全く同じなので割愛します。
違うのはレイアウト、太陽光、使用する飼育水です。

今回計測する水槽②は直射日光の少ない場所に設置しており、魚の生活サイクルを保つために一定時間LFDランプを点灯していますが、見ての通り透明かつ陽性植物のいない環境なので一次生産量自体は少ないと
見積もっています。

この実験の目的はエアレーションによる酸素供給、アヌビアス(写真左側の水草)、生体、バクテリアによる酸素収支が全体でどれくらいなのか、バランスがとれているか確認する為に行いました。

まず9/27(実験日)の水質コンディションと時系列ですが、9月第2週目の週末にレイアウトの作成と立ち上げを行いました。
このとき写真で泳いでいる生体(三色三尾2匹、エビ2匹)とバクテリアも一緒に添加しています。

9/16底層を遊泳域とするコリドラスを2匹この水槽に新しく加えましたが、翌朝お星になってしまっていたことから、9/17にエアレーションを設置。その後常時稼働しています。

9/22 18:25地点で水温31.76℃、RDO96.39%(7.01mg/L)だったことを考えると、高水温は魚の死亡原因の一つだと考えています。

ちなみにモトハシはこの水槽に添加したバクテリアのメーカーにも以下の点について問い合わせました。

小型水槽にアンプル1つを使い切っても問題が無いのか。(水処理能力が適正だったかどうか)
高水温の環境や装備品が不十分な場合、バクテリアの働きで酸素消費が進む可能性はあるかどうか。

しかし、モトハシの英作が駄文過ぎたのかメールアドレスの記入間違いをしたのか、メーカーからの回答は現在ありません。
海外メーカーだったため日本のお問い合わせフォームとフォーマットが異なっていたのも気になりましたし……(電話番号とか日本には無い業界番号?とか未記入だったので)。

それについては仕方ないので、気を取り直して実験結果を見てみましょう。

実験開始時(9/27 10:00頃)の水温28.67℃、DO92.72%(7.17mg/L)に対して、
終了時(9/27 18:00頃)の暗条件8h(水槽台の中に安置)は6.89mg/L、
明条件(水槽②の横に安置)は7.01mg/Lで、水温はどちらも約31℃でした。

水槽内と保存場所の圧力差で溶け込める酸素量が変化するという考えも1つありますが、エアレーションが無い場合、どちらも酸素消費に傾いていることが分かります。
これは植物プランクトンによる光合成より呼吸やバクテリアの分解が優位になっている事を意味します。

ちなみに目安ですが、水道水はDO7.39mg/L、
また週に1回水槽②の1/3を換水するのでその前後でDOを計測したところ
9/24換水直前DO7.10mg/L、9/24換水直後7.25mg/Lでした。

エアレーション条件のDO時系列変化は
9/22 (7.01mg/L)→9/24換水後(7.25mg/L)→9/27実験前(7.17mg/L)
これを見る限りエアレーションと換水でDOを一定に保てているような気はします。
今回は魚が次々に死んだ原因を探るため、グリーンウォーターと透明で見た目にはきれいな飼育水の一次生産量を比較しました。

結果、一般的には金魚やメダカにはグリーンウォーターを使った飼育が栄養補給になり良いと言われていますが、あまりにも植物プランクトンが増加しすぎるとエラに詰まる(?)のか、空調管理下で十分なDOが存在していても死んでしまう事が分かりました。
この実験の数日後、1匹残っていた小赤がお星様になる前底層でじっとしている姿を見ました。
もしかしたらプランクトンの少ない底層に潜ろうとしていたのかもしれませんね。

透明な飼育水は植物プランクトンどころか苔の1つも生えないほど澄んでいましたが、底層を好む魚にとっては十分な酸素が行き届かない環境だったようです。
高水温とバクテリアの添加に加え、外部フィルターという空気に触れない濾過方法をとっていたことも酸素欠乏の原因だったかもしれません。
これらのことから、良い水質とは絶妙なバランスの上に成り立つもので、見た目で簡単に判断できるものでは無いことが分かりました。


お話は以上です。

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