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蛇使いな彼女BLOG

【第95回】 お家で実験編 #1 ~DO計を使った一次生産実験!~

2023.10.20

皆さんこんにちは。
ここ数年コロナで停滞していた研究会が再開したこともあり、少し忙しくなってきたモトハシです。
データ整理や解析のプログラミングはもちろん行っていますが、細かい作業ばかりやっていると、いざスライドを作る際に何をしていたか分からなくなることが多々あります(笑)

文献とにらめっこしても流動方程式ばかりで悲しくなるしスランプが解消されるわけではないので、少し思考を変えて、趣味のアクアリウムから一次生産量を測ってみたときのお話をしましょう(・_・)
   


私たちの研究テーマ“アオコ”の発生の観点から見ても、DOの収支は重要です。
行政が管理している地点の水質データを扱う中で、私は無意識に水温・DO・pH・PCYなど各センサーから人が利用する目的のみに注目し、水質の良し悪しを位置づけている部分がありますが、今回は魚類にとっての水質を考えてみます。

特に今年の夏は酷暑だったので、家に2台設置している水槽で生体が沢山お星様になってしまいました。
以前Linkdinでその様子を投稿したのですが、幸運にも環境システムからDO計を頂戴することが出来たので、有効に使用させてもらいましょう!
現場データを見る上でも、これは有光層内~無光層の生産の目安にもなります。

実験は家庭にある道具を使って簡易的に行いました(笑)
用意した物は

□SmarTROLL RDO
□水槽(飼育水)①:グリーンウォーター (←いわゆる植物プランクトンが豊富な水)
□水槽(飼育水)②:透明 (←ガラスアンプル入りバクテリア添加済み)
□プリン瓶2個(←家族がコレクションしているやつ)
□保冷用バッグ(←荷物についてたやつ)

※採水場所(2台の水槽)にはエアレーションを設置しているので、水槽内の水温とDOは一定と考えます。
よって明瓶と暗瓶の保存時に水槽内に吊す操作を省略しました。

※飼育水①は水道水にカルキ抜きを添加しただけの物に植物プラが湧きました。
飼育水②は水道水にカルキ抜きとバクテリアを添加した物+生体導入時の水合わせ分です。

※SmarTROLL RDOによる計測は、サンプル1回の計測が終わるたび、新しい水道水に付けて校正を行いました。(ブランク水:WT29.01℃ RDO96.03%,)

実験直前↓

水槽①はこーんな感じのグリーンウォーターです。
向こうの景色が見えませんね(笑)
9/26 AM10:05撮影時、エアコン設定18℃の部屋に設置していますが、9月下旬で26℃までしか下がりません。
(8月は室温28℃、水温30℃超えです。が、水槽①より涼しい環境なので、この水槽では三尾金魚を10匹入れていましたがパタパタとお星様になりました(゚´Д`゚)
そのあと金魚すくいで貰った生き残りの子をこちらに移しました。)
DOは過飽和です。

このコンディションから、底層+20cm付近の飼育水をプリン瓶に採水しました。
採取量は測定可能な範囲ならいいや!とのことでアバウトです…!
明条件は水槽①の隣で8h保管しました。
暗条件は水槽台の中が調度遮光環境だったので、保冷バッグで包んで水槽台の中に入れ8h保管しました。

この日の夕方、日が落ちてきたタイミングで設置場所から引き上げ、計測を行いました。
その結果がこちら。


計測はSmarTROLLを直接プリン瓶に入れて行いましたが、計測スタートからDO値が安定するまで、どちらも5分くらい掛かりました・・・。
その間、暗条件はモトハシが片手で瓶を持った状態で計測したので体温で若干水温が上がってます。
明条件は瓶を持たずに計測を行いました。
水温条件にばらつきがあるのでなんとも言えませんが、おおよその結果です。

①スタート時106%(8.55mg/L)-暗瓶87.56%(6.45mg/L)=分解量(呼吸)18.69%
②スタート時106%(8.55mg/L)-明瓶135.83%(10.32mg/L)=総生産量(光合成+呼吸)29.58%
①+②=純生産量(光合成量)48.27%

この結果が一般的なのかどうか分かりませんが、これくらい濃い緑色だとDOに大きな差が生まれる事が分かりました。

次回は水槽②の結果も併せて考察していきたいと思います。

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