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蛇使いな彼女BLOG

【第119回】2024年度エルクス研究会レポート①

2024.12.20

こんにちは。先月末、今年初回となる徳島大との研究会が開催されました。

約3時間にもわたるボリュームで、皆さん本当にお疲れ様でした。

数ヶ月後に学会・卒論・修論の原稿締め切りを控えているとの事で、今回の発表は学生のみなさんよくまとられていました😊

初回から2週間後に2回目の研究会が予定されているので、大変ハードですが頑張っていきましょう!

さて、私たちは普段淡水をメインに研究していますが、この場のテーマには運河や汽水も含まれていたり、最近では石垣さんとのディスカッションでも塩分遡上に関する調査を行っていますね。

そういう背景から今日は質疑応答中に出たキーワードの中から「塩水くさび」について何なのか紹介していきますね。


「塩水くさび」とは

主に「塩水くさび」とは汽水域や川の河口付近で河川水より密度の高い海水が上流に向かって侵入する状況を指します。「塩分遡上」も現象においては基本的に同じ意味合いを持っています。

干満差の小さい日本海側では河川水と塩水の鉛直混合を促す力が弱いため、潮が満ちてくると底層の塩水が密度成層を保ったまま河川上流に塩水が伸びていく様子を「塩水くさび」と言います。

太平洋側でも同じように塩分遡上は見られますが、干満差が大きいほど河川水と塩水が混合した状態で遡上するため、「くさび」は形成されにくいとい言えます。

模式図は行政の河川資料を参考に作成した物です。

鉛直混合の状態によって河川水と塩水の分布パターンが変化します。弱混合は密度成層により塩分くさびが作られるので、「塩分くさび型」とも言われます。淡水層の厚みがあり、流量の多い河川で確認されることが多いようです。

緩混合は鉛直混合によって斜めに塩分層境界層が作られ、密度勾配は鉛直方向と水平方向に分布します。

強混合は塩水と河川水が完全に混合してしまっている様子で、密度勾配は水平方向のみに分布します。

干満差の大きな場所では冬場水温が下がることで、河川水と塩水との密度差が小さくなり、強混合が起こりやすいと言われています。


今回の研究会は学会発表の内容盛りだくさんだったことから、急きょ汽水や湾付近特有の現象について説明しました😅

実際のところ、過去に塩害のあった地域では堰が建てられているので、太平洋側でもほぼ弱混合~緩混合と言ってもいいのかもしれませんね。

次回は引き続き塩水くさびの観測や、水質に与える影響などについてお話しましょう!(第2回目の研究会の様子も書けたらいいなあ~)

ではでは~~!

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